特許取得への挑戦 2011-2019

過去、特許申請は3回チャレンジを実行し、うち2回は取得を体験しております。

1度目は2011年。画像認証を活用した麻雀の自動点数計算システム。弁理士を使わず自執で断念。
2度目は2012年。物流ピッキングのARでのナビゲーションで就業先のチームでの取得済。
       (私の関与は薄かったが、実現化における課題解決方法を模索)
3度目は2019年。「イベント支援システム」を取得済。

今回は、何故?特許取得へ挑戦したのか?の経緯と、その内容について記載します。

プランナー人生でのチャレンジ!特許を取得してみよう!

2011年 東日本大震災の時の菅直人元首相の特許が話題に!

 2011年当時の総理大臣である菅直人氏が取得している特許である「麻雀点数を計算できる電子計算機」が話題となりました。元特許事務所で弁理士として就労しおられた経歴だったようですね。でも「あの麻雀の?」と馴染み深い発明でした。

 同時期にちょうどOCRのAndroidアプリ開発をしているエンジニアらとのランチ雑談トークで「大学生が雀荘で点数計算できるAndroidアプリを開発できないだろうか?」

エンジニアAさん「牌の文字って認識しづらいんですよ。特に文字以外」
私「図形や記号もUNICODE文字で麻雀も存在しますよ」
私「世の中に無いアプリですよね。俺、元首相みたいに特許書いてみますよ。開発できたら学生が居そうな雀荘に営業しますよ!」
エンジニアAさん「開発してみようかな」

しかし開発を進めると、AI(機会学習・画像認証)は国内では認知が浅く、エンジニアAさん「調べたけど今のAndoid(JAVA言語)だけでは厳しいね。C/C++で高いを探ってみるよ」

私「文字識別、色識別、造形識別など、複数の解析結果で「認識精度を高める仕組みはどうですか?!」
私「特許申請も手探りでやってみますよ!」
類似文献例も探して、図や文章を真似しながら、私は特許の申請書を書く挑戦が始まったのです。

今ならばAI(機械学習、画像認識)での実現方法を探りますが、特許としての新規性は難しいでしょうね。

弁理士へ相談するもシステム特許の専門でないと厳しい

一般的な特許と、システム系の特許は書き方が全く違います。
大阪府の無料相談窓口の弁理士(当時3人)に全員に会いに行きました。
但し、全員システム系には弱い弁理士で、指導された内容が的外れであることは素人の私でも気付きました。私は取得済みの特許や書籍を参考にしながら作成していたため、大筋の書き方は正しいと自負していたからです。

一方で、開発エンジニア側も行き詰まってました。当時のAndroid端末のカメラもさほど良い状態ではありませんでした。
麻雀牌や点数棒をカメラで認識させる精度は低いため、特許申請も断念しました。

システム系の特許は専門弁理士に依頼しないと、なかなか素人での取得は困難だと実感しました。

2011年の特許取得は、ここ時点で断念しました。
アプリ企画としては、ファーストペンギンだったと思いますが、開発力で難航してしまいました。

『鯖江市ARコンテスト2015』優秀賞受賞プランで特許申請へ挑戦!

コンテストの舞台裏では、特許申請プロジェクトを始動!

コンテスト応募前、東京都の区役所の無料相談を活用して、IT特許専門の弁理士に御相談したところ「取得の期待は持てそうですよ」というアドバイスをいただきました。

特許申請前に公衆で発表する場合は「発表日時や場所も申告する必要があります。

そこで、運営本部の方にも「メディアやネットで流れると困ります」とお伝えして、プレゼン発表しました。

発表内容は「街コン×ITソリューション×AR」

AR、ナビ、AI(機械学習、感情分析)などを活用したソリューションとして発表しました。

この発表直後に、弁理士に依頼して特許申請への取り組みもスタートし、2019年の取得までは知人やSNSを含めて未公表にしておりました。

そして2019年8月に、ようやく取得致しました。
私にとっては成果の可否=チャレンジの証明は重要です。

弁理士の方が親身に御協力いただけたからなのですが、この結果は素直に嬉しかったです。

さて「イベント支援」特許内容を簡易紹介!

街コン、異業種交流会、婚活パーティを想像してください

限られた空間、限られた時間の中で、より効率的なマッチングを図るシステムです。

参加者全員のペルソナは異なります。
性別、企業、職業、趣味、年収、外見、性格など、
①本人の詳細情報と、
②どういう相手を求めて参加しているのか?
の情報把握が、なるべく会場入場前に必要です。

大勢の中から趣味嗜好の合う人を探す

大勢の初対面がいる中から、趣味嗜好の合う人との一期一会が達成されれば、満足度は満たされるでしょう。

会場には多くの情報が散在しており、条件マッチした人を効率良く探すには、デジタル解析を使えば、より効率的な機会を得ることが可能な筈です。

散在情報は2タイプあると考えます。
1つ目は、名前(ニックネーム)、年齢、住所、メールアドレス、外見、趣味、職業、収入、性格、喫煙の有無、酒量、語学、連絡頻度、婚歴、子供の有無、求める家庭像等のペルソナ情報です。
2つ目は、相手に求める条件(職業、趣味)などのニーズ&ウォンツなどです。

ニーズ&ウォンツのWINWIN

参加者(求める者、求められる者)、時には仲介者や運営者などのステークホルダーは、個人単位、組織単位で参加ニーズが異なります。このマッチングがエンドユーザー(参加者)やクライアント満足の最大化へ繋げることが目標です。

マッチングの指標

時間効率、趣味嗜好、個人特性など、視点を変えた多様な指標が存在し、そのマッチングフローは、複数パターンの結果が存在します。この最善パターンをピックアップすることが重要です。

アウトプットとしての可視化表示

各指標の表示は、定量的に示されてもよく(例えば、単なる数値、百分比、偏差値、順位、グラフ等)、定性的に示されてもよい(例えば、大小、高低)も含みます。

また、各指標の表示例は、携帯端末がいわゆるスマートフォンやタブレット端末、液晶ディスプレイでの指標表示。またホログラム画像として相性指標表示も含みます。

”合理的に"、”効率的に"一期一会を創出することが特徴

大勢の参加者ほど、優先順位の指標での判断軸での戦略が必要

外見や趣味、仕事など共通領域が多いほど、マッチング率が高くなると考えております。

大勢の参加者、広い会場ほど"非効率"を解消するナビゲーション

限られた滞在時間、大会場で大勢の参加者の中から合理的に「運命の人」を見つけるためには、混雑回避での予約、または位置情報の把握により、迷走を防ぎます。

AI、データマイニング

 時間効率、趣味嗜好、個人特性など、視点を変えた多様な指標が存在し、そのマッチングフローは、複数パターンの結果が存在します。この最善パターンをピックアップすることが重要です。

ナビゲーション、予約、アラート

解析結果を、エアタグに参加者の位置や相性指数が表示し、プロフィールリストから、お話したい候補を探し、候補を決定すると、ナビゲーション機能で案内、混雑回避のための予約を実行します。

混雑回避も戦略の1つ

人気ターゲットに行列に並んででも話したい。または1:n の状態でも話したい人。

一方でそれが苦手な人は同じ経過時間を、その他のターゲットを複数訪問した方が効率が良いと考える方もおられます。

どちらの考え方も、リアルタイムで本人が戦略を決断した方が良いと思います。

感情分析、表情分析、会話や情報などの機械学習が導くものは?

ウェアラブルを活用し、相手側からの印象も相性指数に加算

例えば、目線が合う回数、瞳孔の広がり、笑顔の回数、脈拍数の上昇、声の高低差などです。

2014年のプレゼン発表では会場のオーディエンスから笑いが起こりました。
「婚活でそこまでやるのか?」という笑いでしょう。
プレゼンの遊び心の機能ではありました。

お節介な仲人おばさんの”会話補助”

初対面の男女の初会話。
「今日は暑いですね」「雨の中、大丈夫でした?」
緊張している状態で、雑談やアイスブレイクが続かない人もいるかもしれませんね。

昔、ホテルのお見合いの待合せに、ベテラン仲人にアシスタント同行したことがありました。

ベテラン仲人は手慣れたもので、初対面どうしの男女のプロフィールを全て事前に記憶しており、
「男性Aさんはね。テニスをやっておられて部長をやっっておられたんですよ」
「女性Bさんは、お料理やお菓子がお好きみたいですよ」
「この後、お二人で色々とお話してみてくださいね」

と手際良く5分ほど話して仲人の我々は退席しました。
会話のキッカケとなるアイスブレイクのキーワードを改めて伝えて立ち去るのです。1対1ではなく、大勢となると仲人も至難の技でしょう。

この従来のお見合いの仕組みをデジタルシフトを構想した私は、最終的な会話補助はAIですが、データマイニングで可能ですよね。

特許取得は、技術的な論理が成立していれば開発実現性はややグレーでも成立します。私は未来の世界のデジタル仲人をプロダクトとして構想したのです。

感情分析

楽しんでいるのか?不快感を示すなら話題チェンジ
空気を読む感度が高くなることは良いのか?悪いことなのか?はともかく、事態を好転させるためのアラートにはなると考えています。

当人が気づいていない客観的な指摘での発見もあることでしょう。

表情のセンシング技術の活用

この後、オムロン様の「OKAO® Vision」など、センシング技術の紹介や、北欧米での表情からの学習集中検知などもプロダクト公開され、ARアプリ「Snow」を始め、表情を使った技術が世に浸透し始めております。

大量のペルソナ情報から、共通事項をフィルタリング

短時間の意気投合、一流の雑談力には相手情報のヒアリングが含まれるそうです。

全員が営業マンのように得意な訳ではありません。
この抽出は非常に重要なサポートとなることでしょう。